深田とは、僕のことだ。
青空を舞台に、小鳥たちが織りなすメロディ。
いつにもなく今日の目覚めは気分が良い。
さようなら、布団。楽しかったよ。
朝日に呼ばれたから、行って来るね。
また今日も、〝物語〟が始まる。
タイムリミットは、睡魔がやって来るその時まで。
一日は24時間。誰が決めたのかは分からないが、この世界はそのように決まっている。誰に教えてもらったかは忘れた。
24時間が長いと思う人もいれば、24時間が短いと思う人もいるだろう。
楽しい時間はあっという間で、そうでない時間は長く感じると親友は言っていたけど、僕には理解ならなかった。
だってこの人生(story)で、楽しくない時間なんてないからだ。
全ての時間が、楽しい。
理不尽な説教を受けている時間、役所での待ち時間、お腹を壊して便所に閉じこもっている時間、その一瞬一瞬に僕はときめいている。キラキラ。
✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨
小鳥たちはどうなんだろう?
一体何を思い、何を考え、何を感じて生きているのだろうか。
僕がその答えを知ることは永久にないだろうが、彼等の歌声が美しいという事実は変わらない。
それでも今僕が一番欲しいものは、大金でも名誉でもない。人間以外の動物と会話することができる能力だ。
地球という同じ惑星で、多種多様な生き物たちと共同生活を送っているにもかかわらず、人間は人間としか会話することができない。
それは、ひどく勿体ないことだ。
ワンワン。ニャーニャー。パオーン。コケコッコー。
こうしている間にも、地球は飽きることなく周り続くている。
止まることはない。止まらない。やめられない。
目が覚めたら、夜空を舞台に星たちが社交ダンスを踊っていた。
時計の針と月灯り。
今夜も布団がパートナー。
深田とは、僕のことだ。